
2011年12月24日
日蓮とアワビ

横須賀の沖合い約2kmに、猿島という島があります。この島には、鎌倉時代の僧、日蓮宗の開祖である日蓮上人にまつわる伝説が残っています。
建長5年4月、日蓮は船で房州(千葉県)から鎌倉に渡る途中シケにあい、猿島の遠浅の磯で船底に穴があき、沈没寸前の状態になりました。
日蓮は、水面を見つめたまま「南無妙法蓮華経」と一心不乱に祈ったところ、アワビが船底の穴をふさぎ、船は沈没を免れたという話が伝わっています。 これに似た逸話は全国各地に伝わっています。
万葉集の恋忘れ貝、片想いの貝だけではなく、くっついたら離れない、まさしくアワビは恋の貝なんですね。
余談ですが、それから、日蓮は島の白猿に案内され、船で猿島から横須賀にある米ケ浜の海岸に上陸しようとしましたが、着岸できないため、船頭が上人を背負って上陸したそうです。
しかし、上陸の際、船頭はサザエを踏んだらしく、足が血まみれになってしまいました。そこで日蓮が念仏を唱えたところ船頭の出血が止まり、近海のサザエの角が無くなった、という伝説も残っています。
余談2ですが、一般に外海のサザエは角が長く、平穏な海のサザエは角が短くなります。潮に流されないようにサザエも頑張っているようですね。
Posted by あわ美くん at 08:26│Comments(0)